私はプロ作家として、壁にずっとぶつかり続けておりました。
トラブルが起こせない。
それはつまり物語を回せないということです。
主人公にとっての課題でもいい。
圧倒的ライバルでもいい。
事故でもいい。
失敗でもいい。
新キャラの登場でもいい。
それが思いつかない。
主人公をいじめるのが下手、に似ています。
そのウェットな感情の他にも、もうひとつ私が物語を回せない理由がありました。
それは
トラブルの解決策へのアイディアに自信がなかった。
これです。
物語の主人公というのは、今までの積み重ねによる起き、かつ以外なトラブルから、
さらに今までの積み重ねで得た知識と経験を武器に
斬新な方法で解決をして心のすれ違いをも埋めていきます。
起きるトラブル→解決
これが全然できなかったんです。
長期連載作家になるには
この引き出しを増やしまくるしかないんですよ。
アミューズメント施設に行く→普通に楽しく帰ってくる
では、つまらないのです。
アミューズメント施設に行く→
不良に絡まれる
元恋人に会う
トラウマ源に会う
秘密を知る人に会う
彼の秘密を知ってしまう
彼の肉親に会う
彼の元恋人に会う
ファッションショーに出ることになる→
靴を隠される
靴が壊れる
服が破られる
服が届かない
布地が足りない
ライバルとアイディアがかぶる
照明が落ちる
このように、何か起きたら、そのとき主人公にとって一番必要な成長につながるトラブルを起こさなければならないのです。
これができないのであれば、
”恋愛の華やかさ””読みたくなる絵柄””イケメン””美女””起きたらうれしいこと”をとことんまで極めるしかないんじゃないかと思います。
ちなみに、作家には共感型と興味型があるそうです。
ちなみに私は、共感型とスペクタクル型、と呼んでおりました。
呼び名は違えど、ふたつのパターンがあるんだと自信を持ちました。
この主人公の次の成長に必要なトラブルを起こす力と引き出しを増やさないといけないのが興味型、”恋愛の華やかさ””読みたくなる絵柄””イケメン””美女””起きたらうれしいこと”を鍛えなければいけないのが共感型だと思います。
かかるカロリーの問題ではなくて、興味型の人が共感型を鍛えても苦しいだけですし、逆もまたしかりです。
私自身は興味型なのに、女性向け作家ということで、”恋愛の華やかさ””読みたくなる絵柄””イケメン””美女””起きたらうれしいこと”これを鍛えようとして十年くらいボロボロに苦しみました。伸びも悪かったと思います。
これからは、自分が興味型の作家なのだと自覚して、主人公の次の成長に必要なトラブルの引き出しを増やす努力をしようと思います。
具体的には、会社の本を読む、学校行事を知る、実際の事件を知る、単純に知識を増やす、解決策のバリエーションを知っておく…などです。
妄想よりも、インプットが大事になってくるかと思います。
無尽蔵に必要ですから、普段から「どんなトラブルが起きたら嫌かな」「この場合の試練は何かな」「解決した上で心が通じ合うすれ違いって何かな」と常に考えておく必要があります。
興味型の代表作家さんは、浦沢直樹先生。
これだけで努力の大きさが予想できますね。
でも、自分に合わないことをしているより、膨大な努力をしているほうが
人間は楽なんだと思います。
ご自身が興味型か共感型か見極めて、正しい努力をしていきましょう。
もしこれを読んでくださってる方が興味型なのだとしたら、
私と一緒に引き出しを増やしまくりましょうね。
結びに、私がこのような考え方をできるようになったお手伝いをしてくれた、
脚本術もご紹介しておきます。
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